おかげさまで、今朝も目が覚めた。
目が覚めた瞬間に想った人、もう、この世に居ないステファン・エセルやった。
ステファン・エセル、すげぇよ、ナチスの拷問受けてさ、強制収容所で絞首刑を免れたとか・・・泣く子も黙る、とんでもねぇレベルの「経験」の持ち主やったよね。
ある日エセルは、こう書き出した = 「93歳。人生の終わりも、もう近いんやな。」っと・・・もしかしたら、自分の子供や、特に孫あたりに向けて、書き出したのかもしれん、普通に「手紙」の様にね。
「金持ちと貧困者の差が大きくなるばかり、地球環境、不法滞在者・移民者・ロマの人々が受けてる扱い、より強く・より早くと競争ばかりの世の中、金融市場の独裁化、ようやく獲得した年金の売却、保険問題・・・」など、もう、世の中ヤヴァ過ぎやんか・・・っと危機感をマジで感じたエセルは、淡々と書きながらも、みんなに目を覚まして欲しいという思いで、力強くも割とサラサラ書いたんやと思う。
で、「ほら、探すんだよ自ら、したら見つかるからさ。」って言ってる。
つまり、いくら待っていても、何か向こう側から自分に向ってヤっては来ないから、自分で探しなさいと、探さなかったら見つからないコレ当たり前、だから探すんだよ、探したらキット見つかるから☆っということね。
非常に当たり前のようなことにも思えるけど、エセルからすると、「みんな受け身すぎるわ・・・こんなん、ボ~っとしてたら皆、気が付いたら強制所ってことになりかねんわ、おい待てい、死んだら言えんから、いま言うから皆きいて~。(そんな長くないし)」っという事で、冷静ながらも、かなりの「危機感」を持って書いてたんやと思う。
そんなエセルが書いた「手紙のような」文章が、小さな小冊子本になって、これまた小さな小さな出版社から2010年10月に出た。
10月に出版されて、直ぐに売れ切れ、増版増版状態で、もう、その年のクリスマス時期には、プレゼントの「おまけ」(「おまけ」だけどココ大事だから!!)っとしてスゴい速さで世に広まり、数か国語にも訳され国境を越えて広まり、本人も出版社も驚くばかりだった。
日本語にも、訳された。
Indignez-vous ! っというタイトルは、「怒れ!憤れ!」っと訳され、2011年12月に日経BP社から出ている。
フランスでは一冊3ユーロっという本が、日本語に訳され840円っという価格で日本の世に出された。
いやはや、驚いた。
エセルも、出版社も、本当に「誰でもが手に取って読める本」、「毎日食べるパンみたいな本」というので出しているのに、こうして国境を越えたら、なんだ?エセルの意思に反して、エセルが大批判して警告出してる様の「まんま」のシステムに乗っかって売りに出されとるって・・・なんなんコレ??
正に、こういう事態を「異常だろ?なんか、おかしいよね?」って事を言っていたのがエセルなんだよ?この日経BP社って何考えてるの?
840円じゃダメだこりゃ状態だわ・・・日本じゃ「毎日食べるパン」のごとく広まらないわけだわ。
結局なに?世界で話題になっている本を売って最終的に「儲ける」のは日経BP社っという、エセルと全く持って関係の無い所なんだよね・・・まさに、こういうシステムに警告を鳴らしていたエセルも驚きの唖然状態だわ。
ま、その結果、どうなのか?
例えば、ウィキペディアで、ステファン・エセルのことは様々な言語で紹介されているけど、いまだ日本語ページは存在しない・・・はい、つまり、そういう事!
こうして、以下のように「記事」にはなっているけど、日本という社会ではステファン・エセルの声は、本気の意味では届いていないっと思って良し。
で、正に、こういったシステムに反して、この3ユーロ→840円っというマジックに反抗して、怒って、本購入をボイコットするというのであれば、それならステファン・エセルも理解し、賛同してくれるはずだよ。
で、ただボイコットするのではなく、では、どうやったら自分の書いた本を「毎日食べるパン」の価格で皆に届けることが出来るのか?一緒に考え案を出してくれると思うよ。
そして、その3ユーロを出すのも大変な人のためには、周りの人が先回りして、読み終えた本を譲ってあげる・・・そういう「手紙」なんだよ。
共同通信 2013年2月27日
ステファン・エセル氏死去 「怒れ!憤れ!」の著者
ステファン・エセル氏(世界的ベストセラーとなった小冊子「怒れ!憤れ!」の著者)フランスメディアによると、家族が27日、「前夜から今朝にかけ」死去したと明らかにした。95歳。自宅はパリ。
2010年、本文14ページ、価格3ユーロ(約360円)で刊行した「怒れ!憤れ!」(邦題)は、全世界の約30カ国語に翻訳され、400万部売れた。米国での「ウォール街を占拠せよ」などの反格差運動にも影響を与えた。
ベルリン生まれ。フランスに渡り帰化。大戦中はレジスタンスに参加、強制収容所に送られた経験もある。戦後は外交官として活躍。「世界人権宣言」の起草にもたずさわった。(パリ共同)
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013022701001955.html
AFP通信 2013年2月28日
「怒れ!憤れ!」のステファン・エセル氏死去
【2月28日 AFP】フランスの「レジスタンス運動」で活躍し、ホロコーストを生き延びたステファン・エセル(Stephane Hessel)氏が死去した。95歳。家族が27日、明らかにした。著書「怒れ!憤れ!(Time for Outrage)」は数百万部が売れ、世界の抵抗運動に火をつけた。
第二次世界大戦中は亡命中のシャルル・ド・ゴール(Charles de Gaulle)のレジスタンス活動に参加。ナチスの拷問を受け、強制収容所では絞首刑を免れた経験も有する。1948年の「世界人権宣言(Universal Declaration of Human Rights)」起草にも関わった。
外交官でもあったエセル氏は20世紀最後の英雄と称えられ、「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」やスペインの「怒れる者(Indignados)」運動など、若者による抗議運動にも影響を与えた。(c)AFP/Myriam Chaplain-Riou
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2931485/10364804
September 19th, 2013 at 2:55 pm
久しぶりにコメント書きます。
「対ナチスドイツ抵抗運動の闘士、ステファン・エセル氏死去、95歳」という記事をエセル氏の死去に際してうちのブログで書いておきましたので、よろしければご覧ください。
それにしても、なぜ日経BP?もっとふさわしい出版社があったはずだと思います。でも、経済エリートがこの本を読んで新自由主義を悔い改める…なんて例が一人でもあると望みたいです。さてどうでしょう。
September 20th, 2013 at 10:32 am
村野瀬玲奈さん
コメントありがとうございます。
何故に日経BPなのか?
それは・・・日本にステファン・エセルの本を出版しようという強い意志を持った出版社が存在しないから?なのでしょうかね?
あと、哲学・思想系の出版社がマトモに存在しないからではないでしょうか?
こんな事を言うと、必ずや、「いや、オマエ何言ってんだ、日本にもあるぞ、哲学・思想系出版社、ふざけるなっ!」っと言う人がいるでしょう、でも、じゃぁあるんだったら、ソコ出しましょうよ、なぜにそういう所から出ないんだ?っという返事しか出来ないっつうのwww
で、こういう事態がハッキリと日本の社会を反映しているとも理解は十分にできると思います。
それから・・・こういった本を「経済エリート」っと呼ばれるような人が率先して読むか?うんと・・・ありえるとしたら、正に「経済経済、何事も先ずはケイザイ」っていう社会・世界に疑問を持った既に、その分野では普通の「エリート」ではなくなっている人が読む場合はあっても、現在進行形で「経済エリート」っていう人たちは、読もうとすら思わないのが現実ではないでしょうか?だ・か・ら、こんな社会が未だに成り立っているわけですし、そうなってくると、辻褄も合う。
で、例えば、小さな出版社からは、どうしてでも出すことが出来なかったのか?
いや、やろうと思えば出来たんだと思う。
しかし、そこは、そう簡単にはいかないと・・・だって出版社「業界」っていうのがあって、「出版社ムラ」っていうのがあって、色んな意味でココでも一部の人間たちには美味しい具合に「権力」が使われて、予定通り事は運ばれるっというシナリオだと思います。