原発 : ネバーエンディング・ストーリー? – Nucléaire : L’Histoire sans fin?

昨日2012年1月8日、フランス時間13時ごろ、フランスのテレビ局カナル・プリュスの番組「ディモンシュ・プリュス」(←訳すと、「日曜日プラス」っという意味)で、原発問題を扱っていたよ。 ← 「昨日」っと言っても、0時を回って日付が変わったので、一昨日だわ、正確には。

放送内容、解説も付け加えてみるよ、興味あれば読んでや。

『フランス電力会社EDFがメディアに公開するのは珍しい、クレイマルヴィル原発はフランス・リヨン市から50キロのスーパーフェニックス(高速増殖炉)で、フランス最大の廃炉原発。』

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『クレイマルヴィル原発は、1998年に、フランス社会党によって停められた。原発問題の話題が盛んな中、所長が内部を見せる。このスーパーフェニックス(高速増殖炉)は、フランスにとって、大失敗の例。電力供給は4年半行われ、その後稼動が停められ、廃炉作業に入って、もう、かれこれ10年以上掛かっている。』

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カナル・プリュス取材記者 「スーパーフェニックス(高速増殖炉)建設当時、将来的な廃炉作業の事まで見込まれていたんですか?」

CIEDN(環境と解体エンジニアリングセンター) – 電力会社EDF・原発廃炉責任者アラン・オンスク氏 「いいえ、当時は色々な建設に関わる事柄を扱っていたとしても、ソコまでは考慮されていませんでした、しかし、今日我々が持っている技術は、この問題の解決方法と手段を見出し、現実化することが出来るでしょう。」

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以下、原子炉冷却に使用されていた、5500トンの放射性廃棄物=ナトリウム。

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サッカースタジアムよりも大きな場所に保管されている。

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スーパーフェニックス(高速増殖炉)担当ディレクター・ヴェロニック・ブイリー氏 「この保管所は、一時的な場所なんです。2035年に正式な保管場所(国立放射性廃棄物保管所)が出来るまでは、ここに保管されるんです。」

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現在フランス国内の9箇所において、原発解体が行われている。

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『原発解体作業が行われている原発の中で、もっとも古い=解体作業が1番目に始まったのは、ブルターニュ地方の、ブレニリス原発で、1985年より、ここでは一切の電力も作られていないが、解体作業は難航している。』

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26年間ブリニリス原発で技術士として働いた、ミッシェル・マーザンさん。

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『1990年代、EDFは、この建物に放射性バレル廃棄物を放置した、そして放射能汚染の影響により、解体作業が遅れることになった。そこで、除染作業が行われたが、コンクリートを削る作業の中、結果的には、屋根部分を張り替えなければいけないという作業も出た。』

ミッシェル・マーザンさん 「15年も掛けて色々作業して、結果的にはどうか? 結局、未だ高濃度汚染されている場所があることでしょう。」

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脱原発団体・ションタル・キュイスニエーさん 「その汚染された放射線値は、毎時20ミリシーベルトにも及んだのです、毎時20ミリ、つまり労働者たちは、たったの1時間で原発労働者における年間被曝許容限度に達してしまう状況だったのです。こういった困難な状況が、解体作業を邪魔することになったのです。」

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解体作業が始まって25年、作業が終了したのは、その50%部分に過ぎないが、ブリニリス原発所長は、作業の進み具合には、大変満足し、自慢げに現場を案内する。

ブリニリス原発所長 「ご覧ください、この部分が高濃度汚染されてたんですね、でも現在では、どうです、目の前にご覧いただけますように、こうして芝生景色が広がっているんですね。そして、原子力安全委員会の制御下にあり、安全が確保されているんです。」

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ブリニリス原発内部の様子(原子炉前)。

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カナル・プリュス取材記者 「一体いつ、この原子炉解体作業が終了するんでしょうか?」

(右) ブリニリス原発所長・ジョン=クリストフ・クーティー氏 「行政的関係もありますし、国の政策にもよりますので・・・」

カナル・プリュス取材記者 「(だ・か・ら)どの位の時間が必要なんですか?」

ブリニリス原発所長・ジョン=クリストフ・クーティー氏 「行政の方で、どのように進んで、そちらの過程によって・・・国の方針、原子力安全委員会、それから・・・」

カナル・プリュス取材記者 「(だ・か・ら)10年なんですか? 15年なんですか?」

ブリニリス原発所長・ジョン=クリストフ・クーティー氏 「・・・とりあえずですね、1つの計画としては、2020年~2025年の間にっという事ですが、まぁ、行政の動きとですね・・・(云々かんぬん)」

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『昨年2011年12月、原発に反対する科学者たちが、この(原発業界の)秘密主義問題を批判した。彼らによると、もはや、フランスの原発解体に要する予算などに関して、誰も明確な回答が出来ないのだと指摘する。』

エネルギー問題専門家・バンジャマン・ドゥス氏 「例を上げると・・・例えば、同じ週に、原発解体予算で、3通りの額の違う数値が公表され、EDFは1原発に付き、200,000,000,000ユーロだと発表し、ってことは、原発業界で計算すると・・・15,000,000,000ユーロ辺りになるでしょ、グザヴィエ・ベルトラン氏(仏政治家・国民運動連合(UMP)党首)は220,000,000,000ユーロだと言い、その同じ週に国会では、750,000,000,000ユーロだと・・・はい、お分かりになられますでしょ、この矛盾さ加減が。今日、私たちが居る事態は、もう解体に向かっていかなければならないんですね、40年後じゃないんですよね、今なんですよ、今。ですから、今知るべきなのは、一体いくら必要なんだと、10なのか、20なのかか、はたまた100なのか・・・」

カナル・プリュス取材記者 「で、(問題は)ソレが全く分からないんだと・・・」

エネルギー問題専門家・バンジャマン・ドゥス氏 「はいっ、その通り、分っかりませんっ。」

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そんな中、原発の寿命を長く長くしようとしてるヤツラが居るんだと。

はい、フランス産業・エネルギー大臣のエリック・ベッソンでっす。

フランス産業・エネルギー大臣のエリック・ベッソン 「えっとですね、原発解体に、あんなこんなと戦略とか作戦とかありませんよ。原発の寿命は元々40年は持つように造られてるんですよ。とにかくですね、原子力安全委員会が、大丈夫なんだと、電力供給続行できるんだと見解を示す限りですね・・・ではですね、私に説明してくださいよ、逆に。何故に、大丈夫だと言われている、寿命を迎えていない原発を、期限前に、どうして解体しようとなさるんでしょうか?」

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『サルコジ大統領、サルコジ政権は、原発推進を再確認し、今後も原発エネルギーへの忠実を誓っている』

昨年2011年5月に、グラヴリンヌ原発を訪れ、フランスの原発=安全・安心・確実の大宣言演説を行った際の図。

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以下、ついでに置いておくよ。

2011年4月1日のル・モンド紙に掲載されていた記事、タイトル = 「終わりのない(終わりが見えない)ブリニリス原発」。

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“The Neverending Story” (1984)  Wolfgang Petersen


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