Daily Archives: December 23, 2011

ミスター過小評価 = ロラン・マス氏

少し前に、ある人から「はい、コレ。興味あると思うから読んでみる?」って言われて、1冊の本を貰った。

ちなみに、この本をくれた人はタイトルだけで買ったらしく読んではいないフランス人。

手に取った感じとしては、「本」っというより、「メモ帳」的で、薄い本(約60ページ)、ちなみに調べてみたらアマゾンでも売られていて約5ユーロ。

タイトル = 「原発事故、私達は一体何を恐れるべきなのか?」

著者 = ロラン・マス (Roland Masse) = 放射性生物学者、毒物学研究者、電離放射線防護オフィス(office de protection contre les rayonnements ionisants)の元代表

出版社 = Éditions Le Pommier  ← 日本語にすると、「林檎の木出版」

日本でもそうだけど、ここフランスでも3月11日以降、原発関連の出版が相次いでいるけど、この本は知らなかったわ・・・へぇ~っと思って本開いてみて、早速吹いたわ。

だってさ、目次を見ると、福島原発事故の事も書かれてあるのに、ココ見てよ、出版年が、2010年(!!!)になってんだよね・・・って事は、これ、予言本ですか?って事になるんだけど・・・。 (苦笑)

実際の出版は、2011年10月。

はい、これが目次。

目次

ヒロシマからチェルノブイリ・・・そしてフクシマ 3

テロの危険性                   39

技術再認識                    56

参照                        63

参考文献                     64

っと、まぁ、質素な目次なんだけど、中を読んでいくと、割と小さなテーマ別に色々書かれてあって、初っ端から吹いた本を、読まずにパラパラ~っと見ての第一印象は、なんや、一杯「数値」が記されてあるな~って思った。

「数」というのは、年号とか、人数とか、放射線だとか、そういう「数」が、至る所に散らばってる感じで、とにかく数字が目にパッパッと入ってくる本やなって。

ほいで、読み出して、この本から「トンデモ」な匂いがプンプン仕出すまでに、そう時間は要さなかったわ。

ま、初っ端から吹いた件もあったし、こんな小さな本で約60ページで、「一体何を検証し、何を語れるのん?」って思ったし、まず、このタイトル = 「原発事故、私達は一体何を恐れるべきなのか?」に、この小ささ、薄さ・・・有り得ないっていう、まぁ、良くないんだろうけど、「偏見」を持って読み出したというのもあるけどね。

それにしても酷い、「原発事故過小評価本」だわ、こりゃ酷いな。

しかし、誰がコンナ本を手にして読むんだ? ← あ、あたしじゃねぇかよっ!!

とにかく、少しでもマトモに情報を求め、調べてって人は、初めから、こんな本は相手にもしないというレベルの本だわ。

酷い部分を書き出したら一杯有り過ぎるけど、例えばコノ部分。

読んでて、おいいいいいいいいいいいいって本を破りそうになった。

訳してみるよ。

『津波では、死亡者・不明者が2万人、また避難所で亡くなった病者もいるが、放射能放出によるものが原因で命を落としたものは居ない。原発事故現場では十分な体制が取られ、事故から5ヶ月、原発作業員で働いた1万700人の内、100ミリシーベルトを超えたのは103名、そして、日本政府が非常事態に定めた基準値250ミリシーベルトを超えて被曝した者は8人。ちなみに、あのチェルノブイリ原発事故現場で作業をした53万人のリクビダートル(清掃員)達の、平均被ばく線量は117ミリシーベルトである。例え(福島の場合)避難策に多少の問題があったにしても、即急に、原発付近の自治体に20万個のヨウ素材が配布された。立ち入り禁止区域の子どもたちの被曝状況についての確かな評価は未だ出されていないが、避難後の子供達の内1000人以上の検査が行われた結果は、低濃度の被曝に収まっており、最高値で35ミリシーベルトで、コノ数値は、当時汚染されたベラルーシやウクライナの子供達の被曝積算数値に比べて、10分の1なのです。また、空間放射線量、水、土壌、食物連鎖においても効果的な対処がとられたという事ですから。』

っと、云々かんぬんと続くわけよ。

まぁ、以前にも酷いのは見かけたけど、この「ミスター過小評価」、ロラン・マス (Roland Masse)氏も、あのブルノー・テートレ(Bruno Tertrais)氏と一緒に、あたしの大事な、らくがき帳にドえらく汚ったねぇ字で書かれて、メデタク収まった。

どこの、どんな情報を見て、「原発付近の自治体に20万個のヨウ素材が配布された。」って書いてるのかは知らないけど、コレには、フランスメディアも加担してると思うわ。

だってさ、あの3月11日以降、どこもかしこも大々的に「日本特集」とか、「東日本特集」、「フクシマ特集」って感じで報道しまくってて、そこら中で、「フランスから防護服、ヨウ素剤が日本へと飛びます。」って感じで、専用飛行機を後ろに、中継されたりしてたもんね。

だから、本気で、ヨウ素剤が大量に日本へ飛んで、被災地の人々に、特に福島県の住民に真っ先に配られただろうと思ってる人が多くいても、しゃぁないのかもしれんが・・・それにしてもね・・・ちょっと頑張って調べたらネットでも情報あるのにさ、こんな事、書いてるってねぇ・・・。

そういえば、こんな記事を読んだこと思い出したわ。

コレをさ、改めて読んでみても分かるように、「ヨウ素剤配布されました、はい、良かったね、おわり。」なんてもんじゃねぇよな、そう簡単には語られない件だよね。

で、山下教授・・・ココでも・・・。(以下省略)

読売新聞 2011年3月21日

ヨウ素剤配布で混乱、誤った服用指示も

福島県三春町の避難所で避難住民に配られたヨウ素剤=中村光一撮影

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、各地で比較的高い放射線が観測されていることから、福島県内では国の指示を待たずに住民に安定ヨウ素剤を配布する自治体が出始めていることが、読売新聞社の調査で分かった。

各地で観測されている放射線レベルでは健康には問題がないが、国と自治体の方針が一致せず、混乱が広がっている。

ヨウ素剤は医療関係者の立ち会いのもと、避難時に服用するのが原則だが、「自分の街は大丈夫か」という不安が住民をヨウ素剤入手に駆り立て、その要求に自治体側も応じている。しかし、必要がない人まで服用してしまう可能性があるほか、事前に備蓄を消費してしまうと、いざという時に必要量が確保できない恐れがある。

独自判断で安定ヨウ素剤を配布していたのは、同原発の20キロ・メートル圏内で避難指示が出ている富岡町、20~30キロ・メートル圏内で屋内退避になっているいわき市、圏外に位置する三春町。これら3自治体では、少なくとも15万7000人分を配布。三春町では住民の服用も求めていた。

同町内の50歳代の女性はすぐ服用するよう指示されたため、息子に飲ませたという。しかし、この時点で服用する必要がなかったことを聞くと驚き、「すぐに飲めば効果があると期待して飲んだのに……。これが無駄だったと思うと、ひとまず安心した気持ちをどこにぶつければいいのだろう」と語った。

こうした混乱が起きているのは、国と県の情報交換が不十分で足並みがそろわないのが原因だ。

原子力安全・保安院の西山英彦審議官は19日夜、「16日朝に20キロ・メートル圏内からの避難者にヨウ素剤を投与するように県に指示した」と説明した。しかし、15日昼過ぎには、避難は完了していた。県の担当課長は「今更、服用させても効果がないと判断し、実施を見送った」と話した。これに対し、同院は「予防的な措置として投与を決めたが、結果として対象者がいなかった」と釈明した。

19日には、世界保健機関の緊急被曝医療協力研究センター長の山下俊一・長崎大教授が県の災害対策本部を訪れ、報道陣に対し「放射能のリスクが正しく伝わっていないが、今のレベルならば、ヨウ素剤の投与は不要だ」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110321-OYT1T00020.htm

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