原発から洩れる、日本の貧困・労働問題 – Une fuite dans les emplois précaires

昨日、フランス24で福島原発の状況レポート、あれから7ヵ月後・・・って感じで報道されてた、「福島原発作業員たちとの出会い」(16分27秒)というのを見た。

この取材には、大変な苦労があったらしく、取材班が偶然出会った、いわき市でボランティア活動をするキリスト教の日本人女性と出会い、彼女の通訳もあって、これだけの取材が可能になったことが、レポート紹介文に記されてあるよ。

そして、取材に応じてもらえたホテルの管理人は、日本の取材を全て断っていて、こうして、自分達が「海外取材班」だから・・・と「特別扱い」されたことも、書かれてある。

本来、居てはいけない場所とされているJ-Villageにも出向いて、かなりシブトク粘って取材をした感が伝わってくる「レポート」だと思うよ。

以下、あたしの訳で良かったら。

じゃぁあああねっ☆

追伸 あと、ドイツZDFテレビの「福島労働者の実態」という、ドイツ取材班の「レポート」とも一緒に見てみると良いよね。←これは、下に貼っておくよ。

France24 “A la rencontre des travailleurs de Fukushima” (07/10/2011)

フランス24 「 福島原発作業員たちとの出会い」 (2011年10月7日)

フランス24ムッシュー(オントワンヌ・コーメリー) はい、皆さん、こんにちは。フランス24の「レポーター」の時間です。今年3月、日本列島の歴史の、過去に無い程の大地震、津波に見舞われ、福島の原発事故は収束の目処が立っていない状況にあります。日本政府が情報を牛耳っている限り、原発事故の検証をするにも、非常に困難であるというのが現状です。今日でも、原発現場、そして避難勧告が出された周辺で瓦礫の撤去、現場の安全確保の作業と、毎日大勢の人々が働いています。これらの労働者は、ある人々にとっては、「日本を救うヒーロー」であり、ある人々にとっては、「高収入を求めて職を求める(元)失業者たち」であります。彼らは、自らの命をかけて危険と背中合わせに労働をしています。そんな彼らとの出会いのレポートで、マリー・リントンとギヨーム・ブレッシヨンの報告です。では、どうぞ。

フランス24姉ちゃん 福島第一原発から南に約40キロに位置する、いわき市は、どこにでもありそうな産業の街です。しかし、チェルノブイリ事故以降、最悪の原発事故から「日本を救う」ことを「目標」として雇われた何万人もの原発作業員が滞在をしていて、街のホテルは全て満員です。

特派員 (いわき市菱川町のホテル) ここに滞在しているのは、みなさん原発作業員の方々ばかりなんですか?

ホテル従業員 はい、そうです。

特派員 みなさん、どちらから来られたんでしょうか?

ホテル従業員 えっと・・・日本全国各地から来られてますよ。

特派員 このホテルの社長は、私達に、ある作業員が滞在しているという一室を見せてくれる事を許可してくれました。しかし、その時間は大変に短いもので、私達を案内してくれた人は、直ぐに上司に呼び出され支持を受けていました。

ホテル従業員 ごめんなさいね、申し訳ないんだけど私は、あなた方の質問にお答えすることは出来ないんですよ、報道機関の規制・条約があるもんで・・・。私に決定権はないんですよ。

特派員 では、作業員達も同じ状況下にあるんでしょうか?

ホテル従業員 そうですね、彼らも、あなた方に話す権限はない事になってますよ。

特派員 原発事故後、「沈黙の壁」の存在は各所にある。この原発事故収束に向けて働く作業員達は、メディア関係のインタビューに応じることを禁じられている。それでも、私達は、数人の作業員に会って話を伺うことが出来ました。そして、彼らは姿(顔)を表に出して話をしてくれたという非常に貴重な機会となりました。彼らの証言から、何故、彼らがアノ世界一危険な作業現場で働くのかという理由が見えてきます。

作業員 (車内で) まぁ、戦争しているような状況ですよ、私達は話す権限はないんですよ。

特派員 では、あなたは「軍人」という事ですか?

作業員 いやぁ、私は、どちらかというと、広報者とかスパイみたいなもんですよ。

特派員 ユキオさんは、私達が出会った1人目の「広報者」という事になります。彼は建築エンジニアで、街中にある、某宗教センター*に案内をしてくれました、ここでは心配することなく原発について話が出来るからです。

* 具体的には、どの宗教だとかは明確に言われてないよ、映像からは、事務所的な場所なのかな?っと思ったよ。(映像の2分44秒過ぎから)

ハサガワ・ユキオさん 先ず、わたしがココに来て働く理由は、高収入が得られるからです。それから、私は津波で被害を受けた石巻市でボランティア活動もしてきましたし、国の為に何か役立ちたいという思いで来ました。

特派員 ユキオさんは、ここから数百キロ離れた名古屋からやって来ました。福島第一原発で働く多くの原発作業員達がそうであるように、ユキオさんも、過去に一度も原発で働いた経験はありません。

ハサガワ・ユキオさん こちらが福島原発作業員として入る際に配布される冊子です。原発についての基本的情報と、放射線についての説明が書かれてあります。

特派員 ユキオさんが働くのは、福島第一原発3号機の付近です。この周りでは、毎時1ミリシーベルトを軽く超えてしまいます。彼が、このようにサイエンス・フィクションの映画のような姿なのは、それが理由です。

ハサガワ・ユキオさん (作業時の姿を解説しながら) はい、これで、(顔の周りを指しながら) ココに更にガムテープを貼って補強して、はい、これで準備は完了です。いやぁ、暑いですよ、暑いけど・・・でも慣れましたよ、で、こうして私は働いているんですよ。それから、バッジ、線量計、そして雇用会社の作業員証を付けて出かけます。これが無いと、誰が誰だか分かりませんからね。

特派員 このような作業員を何万人も受け入れる為に、数百軒という仮住宅を大変な速さで建設をする必要がありました。私達は、ここで長年に渡って東京電力・福島第一原発で働く人物と接触することが出来ました。彼は、福島第一原発事故後も容赦なく働かざるを得ませんでした。ここ日本では、職場の雇い主を裏切らないのは、「神聖なる誓い」のようなものなのです。

作業員 東京電力・福島第一原発の作業員は、逃げることも出来ましたが、大半の人々は残って作業を続けています、「義務」ではなかったんですが。私達は、この原発の「責任者」なんですね、ですから、これを機会に職を去った人は少ないですよ。

特派員 その他の作業員達と出会うには、ここJ-Villageに来なければなりません。元は、サッカー場だったのですが*、ここは今、約3万人の作業員達の滞在先となりました。地域自治体の担当者の付き添いの元でも、現場への入場は厳しく管理されます。

* 「元サッカー場だった」と報道されているけど、正しくはトレーニングセンターですね!

警備員 この辺は私有地なんで、撮影はしないでくださいね。

地域自治体の人 (楢葉町役員・ヤマウチ・サナイさん)* え?そうなんですか?

* 映像のテロップには書かれてないけど、映像紹介記事の方に書かれてある。

警備員 入るには、許可証が必要となります。

地域自治体の人 ちょっと待ってくださいね、えっと、私達は東電の人と待ち合わせがあるんですがね。

特派員 私達のガイドさんは、色々と交渉をしてくれましたが、状況は変わりません。改めて、2人の原発担当者たちと一緒に出向きなおしました。(車で走行しながら) ここでは、もちろん下車することは禁じられ、質問をすることさえも禁じられました。ここJ-Villageで、車などの除染が行われ、食品配布、作業員達の内部被ばく検査が行われています。この短い滞在の後に、建物出口付近でケイゴさんと会いました。この若い男性は、日本の真北の北海道から、作業員として1ヶ月の契約で働きに来ていました、そして、今日は彼にとって作業最終日でした。

ケンゴさん 私は、1号機にカバーを取り付ける作業に関わりました。作業は大変な「戦いの真っ只中」にいるようなもので、現場の放射線線量は高く、私自身、高い放射線を浴びたと思います。ここに来た理由は、自分の国を助けたという思いがあったからです。

特派員 ここJ-Villageは、作業現場の原発に向かってバスが出発する場所でもあります。私達は、ここから(原発に向かって)経つことは出来ません。まだ何処のメデイアも原発事故現場内部には入っていないのです。その為、ただ東電や公的広報機関が撮影し公表する映像だけを見るしかないのです。これらの映像は、特殊な現場の様子を大まかに見せているものの、暑さ、壊滅的な現場、放射線の恐怖に晒されてという、厳しい環境下で働く作業員達の様子は殆ど見えてきません。誰がこんな状況で働きたいのか?どの作業員に尋ねても、みんな口をそろえて、「国を救うためだ。」っと言う。福島原発から一番近い作業員達の滞在先となっている宿泊場所の大家のミノルさんの説明は、ちょっと疑いたくなる所だが、きっと、作業員達の「国を救うため。」という思いは、確かなのでしょう。

ヨシダ・ミノルさん 初めの頃作業員たちは自分達の労働を「美化」するんですね、でも、私にとっては、彼らは収入を得る為に働いている「一労働者」に過ぎません。自分達の住んでいる県内で職が見つからないと、でも東電のために働けば、払いが良いわけですよ。

特派員 宿泊施設の、この一部屋には3人の作業員達が共同生活をしています。数週間ここに滞在する人も居れば、数ヶ月の滞在の作業員も居ます。

ヨシダ・ミノルさん はい、もちろん私は、彼ら作業員達の健康について心配してますよ。作業員の中には、大量の被ばくをしたのではないかと不安がっている人も居ますよ。でも、中には、家族も居ないので、自分の人生には価値がもう無いからと言って、ここに作業に来る人も居ますよ。

特派員 (軽トラックが到着し) こうして下請け会社の車によって送り迎えされる作業員達が到着しました。こうして作業を終えて帰ってくる彼らは、大抵疲れきっていて、汗をかいています。そして朝は5時に起床です。

作業員リョーさん (ショベルカー運転者) 今日わたしは、3、4ヶ所の現場作業をしてきましたよ。仕事は好きですよ。ダイエットにもなりますしね。(ピースサイン) あ、ちょっと待ってくださいね。あなた方、運が良いですよ。はい、コレ・・・見せても大丈夫かなぁ?(プリントされた写真を広げながら)はい、コレが私です。

特派員 これが、リョーさんの作業時の姿です。彼は毎日ショベルカーを運転して、放射能汚染された瓦礫の撤去作業をしています。作業員の中でも、被ばくの危険が非常に高くなる作業を担当しています。でもリョーさんは、そんな事は気にせず、契約社員として、ただ働くだけです。58歳の彼の生活は、まるで学生のようです。

作業員リョーさん この部屋では2人で共同生活してますよ。こっちが同僚の布団で、こっちが私の布団。そうですね、長く居ると、ここの狭さを感じますね。

特派員 でも、リョーさんは、作業に対しての不満は言いません。コレまで作業で浴びた被ばくの線量が定められた基準の上限に足していないので、作業期間を延長しようとさえ思っています。

作業員リョーさん 借金かかえてるんですよ、特に住宅ローンのね。それらを払う為には、ここで頑張って働かなきゃいけないんですよね。私の子供たちには、ヒーローみたいには思われていませんね、どちらかと言えば、悪い父親だと思ってることでしょう。ま、子供たちは母親に影響を受けてますからね。ま、でも、そんな風に思われていようが子供たちの為に私はコノ仕事しますよ。私は一家の主ですからね。

特派員 結局、あの原発事故後、東電と下請け会社は、こうした何万人もの原発事故処理作業員を雇用するのに苦労はしていない。なぜなら、ここ日本でも、失業者問題、貧困問題があるからです。いわき市のハローワークが原発作業員の手配をしています。

カンノ・コウセイさん (いわき市ハローワーク・アドバイザー) (パソコンの画面を指しながら)こちらが、福島第一と第二原発の原発関連機器管理職の募集案内となります。月給は1700から2500ユーロの間という事になってます。もちろん、もっと収入が高くなれば、全国から労働希望者がやって来ると思われます。

* グーグルにブチ込んでみたら、1700から2500ユーロは、17万5千円から25万7千円ほどだって出たよ。

特派員 もっと払いの良い職を探す場合は、こうした公的機関を当てにせず、夜遅くに飲み屋などを回り歩いた方が早いのです。こうした場所で下請け作業員の職の話を聞きつけたりすることが出来るので。実際に、こうして、原発で働くマサノリさんと、タクオさんと出会い、私達を案内してくれました。

マサノリさん、タクオさん 喫煙は、放射能よりも死の危険性は大きいよ。

特派員 この2人は現在、福島原発事故現場で積極的に働く、「傭兵」(ようへい)グループの人々だ。現在、福島原発作業員の仕事が一番の高収入を得れる職なのです。

タクオさん 職安?そんなの役になんか立ちませんよ。うちらは、原発で働く人たちの口コミとか友達から紹介とかで職を見つけてますからね、作業時の危険とか、そんなもの話にも出てきませんよ。

マサノリさん うちらは、あの作業が十分に危険だと分かった上で働いているんですよ。

タクオさん そうだな、以前の仕事に比べると・・・収入は1.5倍ほど上ですよ。

特派員 こうした高収入と引き換えに、彼ら作業員は危険が付きまとう仕事を受け入れます。そして、特に危険度が高くなる現場を受け持つのは、下請け会社に雇われた労働者たち。

タクオさん あの原発事故が起きた後、東電に対して非常に腹が立ちました。彼らは皆逃げたわけですからね。うちらだけが残ったんですね、下請け会社の作業員だけがね。で、ある日わたしが作業している時に邪魔だったカメラがあって、ソレを壊してしまったんですね、そしたら東電の社員が来て、ソレが私が初めて東電の人間を目にした瞬間でしたよ。

特派員 サイトウ・ヨシさんも、原発に関わって生きる人の1人です。彼は、J-Villageに運ばれてくる車の除染担当をしています。いわき市にある、この飲み屋で、こうして福島第一原発事故が彼の住む地域にもたらした痛みを歌っています。

サイトウ・ヨシさん 私の出身は原発から5キロの、たみおかです。この歌を作ったキッカケは、私の家族が放射能のせいで皆、避難せざるを得なくなったことです。たみおかは、桜の花見で有名な場所なんですね、で、あの自分の故郷を失ったことについては、言葉が出てきません。

特派員 こんなヨシさんが、「反原発派」になるには、全てを経験したといって良いでしょう。しかし・・・

サイトウ・ヨシさん わたしは「原発」を批判する気には・・・なれません。幼い頃から原発の側で育ってきて、あの原発事故前もその後も、結局「原発」が私を養ってくれていたのです。

特派員 福島の男性たち、その大半の男性たちは、どちらにしろ、原発以外で働くなどという選択など無い立場におかれているのです。放射能の危険性については、なるべく考えないように、そしてガイガーカウンターが時々警報を鳴らし、防護マスクは、何があっても外してはいけないと意識し・・・しかし、放射線の危機は現実としてソコにあるのです。約100人の作業員は、既に作業で浴びた放射線が100ミリシーベルトを超えており、この「100ミリシーベルト」という数値は、癌発生率が上がるといわれている数値だ。しかし、本当の作業員達への健康被害の「真実」を知る日は、数年後になる。

フランス24ムッシュー はい、レポートしてくださいました東京特派員のマリーリントンと繋げてみましょう。マリー、どうも報告ありがとうございました。原発付近が完全に「ブラックアウト」状態になっているという状況、良く分かりました。一番最新の原発関連の情報として入ってきているのは、どんな情報でしょうか?

特派員マリー・リントン はい、あの原発事故から約7ヶ月、徐々に色んな作業が進められており、前進は見られているわけで、例えば先週の発表では、「冷却作業」と呼ばれるものが、3機の原子炉で行われ100度以下になったと報告がありました。他には、1号機を始めとした原子炉にカバーを取り付ける作業が行われるなどされているのですが、他の状況は未だ恐ろしく心配される状態にあり、また放射線線量の非常に高い箇所も幾つかあり、原子炉下、建屋地下にも何トンもの汚染水がたまっており、そういう中で作業が続いています。

フランス24ムッシュー 報告レポートから、「沈黙の壁」の存在が良く見えてくるわけですが、先ほど見受けられたように、数人の作業員は「沈黙の壁」を破って話してくれたわけですね、これは何故でしょうか?

特派員マリー・リントン そうですね、この取材中、作業員にインタビューするのに大変な苦労があって、もう絶対に誰一人にもインタビューできないのでは?っとさえ、思えた程なんですね。で、東京電力の「秘密主義」という伝統が明らかで、この東電の「秘密主義」は、原発事故以降、非常に批判をされているのですが、今現在も変わりません。それで、作業員インタビューに時間は掛かったものの、こうして会って作業員達の話を聞いてみると、彼らは話をしたがっているという事が分かってきました。非常な危険な環境下で働く作業員達は、家族やその他全てを置いて働きに来ているのですが、みなさん「日本という国を助けるぞ。」っという強い意思を持っており、話をしたいんですね。あと、私達が知っておかなければいけないのは、私達は「海外メディア」だということです。たぶん、インタビューに応じてくれた作業員の人々の中には、日本のメディアに話すよりも海外メディアだと、目に付きにくいという、そういう事もあって話してくれた人がいるだろうという事です。

フランス24ムッシュー また、このレポートから見えてくるのは、普段わたし達が日本に対して持っている印象と違って、「貧困問題」が浮き彫りになってきたという点ですよね。少しでもと高収入を求めて、「失業」から抜け出そうとする人々、そういう事ではないでしょうか?

特派員マリー・リントン そうなんですよ。確かに、普段わたし達が良く見かける「日本」の様子とは全く持って違うんですね。普段、良く見られるのは、ネクタイをしめて、スーツ姿の「日本」(東京)・・・ですが、いわき市で私達が出会ったのは、本当に貧困社会、労働社会に生きる人々であり、私自身こういった「日本」の姿を見る機会は今まで、ありませんでした。しかし、これも本当に存在する「日本」の姿なんですね、それは何年も続いた不況、失業問題の結果であり、今日の日本格差社会の現状には驚くものがあります。この日本で、6人に1人は「貧困」以下の状況にあるという事なんです。

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ドイツでは、どのように報道されているのか?

ドイツZDFテレビ「福島原発労働者の実態」

Des travailleurs de Fukushima témoignent auprès de la ZDF 04.10.2011

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