残念な在仏日本大使館・参事官の公開レター

今日、フランス新聞リベラシオンのHPサイトで見かけた記事。

記事は今日8月17日付けのもので、

『先日、福島県民と日本政府との会議の様子が撮影されたビデオをリベラシオンで紹介し掲載した件に対し、在仏日本大使館の大使は、詳細の付け加えと日本政府の政策の説明をしたいと申し出た。』

という解説文つきで始まり、在仏日本大使館・文化担当参事官・志水史雄(しみずふみお)氏による公開レター(フランス語)が全文掲載されている。

ここで書かれている、「福島県民と日本政府との会議の様子が撮影されたビデオ」とは、具体的には Japanese government killing its own people in Fukushima (日本政府は自国民・福島県民を見殺しにする)っという題名のついたビデオ(英語フランス語ドイツ語にも訳されている)のことで、この件について、あたしはココに書いたので、ここで見て。→ 

問題のビデオは、コレ。

このビデオが、リベラシオンのHPで記事にされ掲載され、さっき見に行ったら130件以上の反応が書き込まれているわけだけど、この件に関して、今回、在仏日本大使館・文化担当参事官・志水史雄(しみずふみお)氏が、「ちょっと待った!」「物申す!」って感じで手紙を書き、読者の「誤解」を解き放つ為に、「公開レター掲載」を願い出て、ソレが掲載されたというわけだ。

この在仏日本大使館・文化担当参事官・志水史雄(しみずふみお)氏は、こう書いてる。

『先日掲載された「福島、県民は解答を求める」という記事を読み、読者が日本政府当局の対策に対しての誤解を招くと見解致しました。そこで、詳細の付け加えと現在の日本政府の政策の説明をさせてください。』

続いて、手紙の重要だと思われる部分だけ、一部を訳してココに置いておこうっとぉ☆

● 現在日本政府は全力をかけて、福島県の被災者のために活動をしており、住民に放射線危機を知らせ、また健康管理に努めております。ですから、先日掲載されておられました、英語タイトル Japanese government killing its own people in Fukushima (日本政府は自国民・福島県民を見殺しにする) というのと、現実は非常にかけ離れております。

● 日本政府は、避難地域指定以外の住民でも、必要であれば自主避難をして良いと発表しているんです。そして、このように避難が必要である人々には、震災時に伴う災害救助法の適用の元、一時滞在住宅(私施設も含めて)を提供しています。

● 紹介されたビデオでは、福島県民が検査を要求する子どもの尿の受け取りを拒否する場面が見受けられます。しかし、ひとつ言わせて貰いたいのは、彼は、原子力の緊急事態管理の現地事務所の責任者であり、拒否の理由としては、県民から要求されたテストを実行するには、物理的に無理だった為だったのです。

● また私が強調して、お伝えしたいのは、3月11日以降、福島県行政が県民の健康診断を呼びかけており、心配事や相談を聞いて、住民の健康管理をし安心してもらうというキャンペーンを行っているのです。健康診断の結果や、健康質問調査などを見た結果、必要に応じて尿検査をし、もっと具体的な検査も行っているのです。

● もう一つ、掲載されておられた記事の中で«Time Out Tokyo» というサイトに紹介されていたビデオがありましたね。

このビデオでは、危険な環境で子育てをすることに不安で心配な母親の姿が見られますが、妊婦も含めて、そのような方々のために、先ほど申したように福島県は健康診断キャンペーンを行っているのです。

● 特に子どもが生活する環境の放射線線量を下げる為、日本政府は活動しています。具体的に言いますと、学校中庭、地域施設、公園や通学路などで毎時1ミリシーベルト以上の場合に取られる除染対策については、政府が助成金を出し支援しています。

● いかなる場合も、日本政府は、被災者を支援し、国民を放射線被ばくのリスクから保護し、住民の健康を確保することに努めております。どうぞ、読者の皆様にメッセージが伝わりますよう、ご協力をお願いいたします。

———————————

例の日本政府の非人道で、あまりにも酷すぎる映像が英語フランス語ドイツ語にも訳されて、世界で見られており、記事になり報道されていることを見て、さあ、慌てて書いた手紙なんでしょうね。

そうそう、このビデオに関して触れている、日本在住のフランス人女性の書いた、公開告発レター東京在住、私はこの無責任な日本政府を告発するが掲載されたこともあったよね。(掲載されたのは、フランスのネット新聞Rue89)

そして、こんな状況に「唖然」とするフランス人などを前に、なんとか日本政府への印象を変えようと必死な在仏日本大使館・文化担当参事官の姿が伺えるだけじゃないの?

「編集」してあるとはいえ、あの映像ビデオや、その他の映像を日本から随分と離れているフランスの人もネットを通してみているわけで、その印象を、文化担当参事官・志水さんは、必死に日本政府の肩を持って、一生懸命弁明されているようだけど、こんな事、すればするほど悪影響だと思うけどね。

しまいには、この文化担当参事官・志水さんは、放射線線量も分かってないってことが、ハッキリと判明した。

判明したのは、この部分。

● Plus concrètement, le gouvernement apporte son soutien financier aux mesures anti-radiation prises par les responsables dans les cours des écoles affichant des taux de radiation ambiante supérieurs à 1 mSv/h, ainsi que par les collectivités locales dans les parcs et le long des chemins d’écoles. ●

● 特に子どもが生活する環境の放射線線量を下げる為、日本政府は活動しています。具体的に言いますと、学校中庭、地域施設、公園や通学路などで毎時1ミリシーベルト以上の場合に取られる除染対策については、政府が助成金を出し支援しています。●

で、 1 mSv/h = 毎時1ミリシーベルト っと書いてる。

毎時 1 mSv (1ミリシーベルト) = 毎時 1000µSv (1000マイクロシーベルト)

つまり、この在仏日本大使館・文化担当参事官は、「学校中庭、地域施設、公園や通学路などで毎時1000マイクロシーベルト以上の場合に取られる除染対策については、政府が助成金を出し支援しています。」と言っていることになる。

この計算で行くと、1日は24時間で24倍の24ミリシーベルト(2万4000マイクロシーベルト)になるわけだ・・・うんわああああああ。(怖)

この在仏日本大使館・文化担当参事官は、ミリシーベルトとマイクロシーベルトの違いが分かってないのじゃないのか?そんな人が、公開レター書いてるの?

こんな基本的な部分で、どエラい間違いをしているわけだけど、これも偶然ではないのではないか?っとさえ、思えてくるんだけど・・・。

で、これで、フランス人、フランス語圏の読者の「誤解を解き放ち」、「信頼」や「正しい知識」を獲得できるのか?

それとも、1 mSv (1ミリシーベルト)・・・コレは事実で、間違いではないのか?

もし仮に、「年間1ミリシーベルト」もしくは「毎時1マイクロシーベルト」っと、この在仏日本大使館・文化担当参事官は書きたかったのだとする・・・だとしても、「学校中庭、地域施設、公園や通学路などで年間1ミリシーベルト以上(もしくは毎時1マイクロシーベルト以上)の場合に取られる除染対策については、政府が助成金を出し支援しています。」・・・そういう事が本当に行われているのか?

この在仏日本大使館・文化担当参事官は、福島県民が日々、除染対策に取り組み、一般市民自らリスクを覆って除染活動を強いられていることを、まさか知らないのか?

そして、「毎時1ミリシーベルト以上の場合に取られる除染対策については、政府が助成金を出し支援しています。」と言ってるけど、本当に市民団体や個人で除染活動している人たちは、「支援金」「国が出す助金」を受け取っているのか?あたしには、そうは見えてないけどね。

そして、「想定内」通り?この公開レターを書いた在仏日本大使館・文化担当参事官は、3月11日以降に、日本政府が勝手に引き上げ、それも文部科学省で最終決断がなされた、子どもに「年間20ミリシーベルト」や、これまた日本政府が勝手に引き上げた食品のヨウ素・セシウム暫定基準値の指標のことには、一切触れていない。

そもそも、このような公開レターをリベラシオン紙に掲載願いをする前に、例のビデオで見られた会議に出席していた福島県民や「福島の子供たちを放射能から守る会」の人々に連絡を取ったのだろうか?確認したのか?

ここでも、弱いものの立場に立ち考え、意見表明し、行動するという姿ではなく、「日本国」という「国」や「政府」を優先し、いろんな意味で人々を踏みにじるかのように、「国」の肩を持つ「官僚」の姿が浮かび上がってくるだけではないだろうか?

そして、フランス人読者に対して、「ほら、日本政府はシッカリ国民の健康を守り、国民のために動いているんだから、あんなもん(ビデオ)信じるな、心配するな、つべこべ言うな。」っとでも言いたいのか?

いろんな意味で「誤解を解き放ちたかった」みたいだから、ついでに、原子力安全委員会が、すべて削除していたという「子どもの被ばく検査結果 削除」の件についても、言い訳しておけば良かったんじゃないの?

「文化担当参事官」っということは、アノ高木文部科学省大臣(国会で「屋内退避の放射線量の基準を尋ねられて答えなかった=答えられなかった大臣」)の同僚という事になる分けだから・・・放射線線量数値もマトモに書けないのは「想定内」という事になるのか?

ついでに、フランスの文化相・フレデリック・ミッテラン氏の福島県訪問の際の「食品安全キャンペーン」も、信じがたいほど酷いものだったけどね・・・。

以下は、2011年4月27日、参議院文化委員会での、在仏日本大使館・文化担当参事官・志水史雄(しみずふみお)氏の上司?高木義明文部科学省大臣の答弁で、「屋内退避の放射線基準はいくらだったでしょうか?」っとの、河井克行議員の質問に、高木大臣は全く持って答えられていない、答えることの出来ていない姿がしっかり記録されている。(20分30秒過ぎから)

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