映画 「夢」 (1990年)

映画 「正夢」 「悪夢」 「夢」 (1990年)

監督  黒澤明、本多猪四郎

赤富士

– こんな夢を見た –

男1 どうしたんですか、何があったんですか。

男1 噴火したのか、富士山が。大変だぁ。

 もっと大変だよぉ。あんた知らないのぉ! 発電所が爆発したんだよ、原子力のぉ!

男2 あの発電所の原子炉は6つある、それがみんな次から次へと爆発を起こしてるんだ。

男2 狭い日本だ! 逃げ場所は無いよ!

 んなこと分かってるよぉ! 逃げたってしょうがない、でもね逃げなきゃしょうがない! 他にどう   しようもないじゃないかぁ。

 これまでだよぉ。

男1 でもっ・・・どうしたんだろ?! あの大勢の人たちは、何処行ったんだ?! みんな何処逃げたんだ?!

男2 皆この海の底さ。

男2 あれはイルカだよ、イルカも逃げてるのさ。

 イルカはいいねぇ、泳げるからね。

男2 ふっ、どっちみち同じことさ。放射能に追いつかれるのは時間の問題だよ。

男2 来たよ。

男2 あの赤いのはプルトニウム239、あれを吸い込むと、1千万分の1グラムでも癌になる。
黄色いのはストロンチウム90、あれが体の中に入ると、骨髄に溜まり白血病になる。
紫色のはセシウム137、生殖腺に集まり、遺伝子が突然変異を起こす、つまり、どんな子供が生まれるか分からない。

 あああ・・・あああっ。

男2 しかし全く人間はアホだ! 放射能は目に見えないから危険だと言って、放射性物質の着色技術を開発したってどうにもならないっ。
知らずに殺されるか、知ってて殺されるか、それだけだ。死神に名刺もらったって、どうしょうもないっ。

男2 じゃあ、お先に!

男1 君っ、待ちたまえっ! 放射能で即死することは無いって言うじゃないか、なんとかっ!

男2 なんともならないよっ! グジグジ殺されるより、一思いに死ぬ方が良いよっ!

 そりゃあっ、大人は十分生きたんだんだから死んだっていいよぉ。でも、子供たちは未だいくらも生きちゃいないんだよぉ。

男2 放射能に侵されて死ぬのを待ってるなんて生きてることにはならないよぉ!

 でもね! 原発は安全だ、危険なのは操作のミスで、原発そのものには危険は無い、絶っ対ミスは犯さないから問題は無いってぬかした奴ら許せないっ!
あいつら皆縛り首にしなきゃ、死んだって死に切れないよぉ!

男2 大丈夫、それは放射能がちゃぁんとヤってくれますよ。

男2 ・・・すいません。僕もその・・・縛り首の仲間の1人でした。

 あぁぁぁ・・・。あぁあぁ。ぁぁぁああああああ。

男1 うっうっうっ、つぅうっ、つぅうっ。

—————————————–

あきら へ

あきら、今どこにおるん?

ちょっと聞いてよっていうか、読んでよ。

あきらの映画「夢」のなかに「赤富士」ってあるやん、あんたアレさ1989年に製作しとったんやろ?ほいで、いま2011年やん、あんたの見た「正夢」「悪夢」「夢」、今すごいことになっとるやん。

あんたの「赤富士」さ、あれ短いオムニバス的やけど・・・今うちらが見てるのは長いよ。

映画館やったら、映画観てる途中でも出ていけるやん、でも今うちら「非常口」の場所さえ見えてないっていうかさ、「非常口」が何処ら辺にあるんかさえ見えてないんよ。

ほいで、あんたの「赤富士」に、幾つか突っ込みいれるよ、悪気は無いからね。

① あんたの映画やとさ、いっぱい人が津波みたいに逃げまくっとるやん。今、あんまそういう感じじゃないわ。あんな風なのが見られたのは関東近辺が停電になってさ、いっぱい人が歩いたりチャリ乗ったりして通勤、帰宅する時やったわ。

② あの子供2人かかえたお母さんおるやん。そのお母さんがさ、「イルカはいいよねぇ、泳げるからね。」って言うとるやんな。アノお母さんさ、泳げないんかも知れんけど、だけど今ダメやってば。だってさ、海も汚染されとるんやから「泳げるからええなぁ」ゆうとる場合じゃないわ。

③ 「放射性物質の着色技術を開発」・・・うんうん、確かにヤっとるね、ガンマカメラっていうやつで。これさ、どうも「ガマンカメラ」(我慢カメラ)って読んでしまうわ。

こんなんやってさ。

放射線の一種であるガンマ線の強度を色で把握でき、線量が高い場所の分布がわかるガンマカメラの画像。オレンジ色の部分が線量の高いエリア=20日(東京電力提供)

④ アノお母さんがさ、「原発は安全だ、危険なのは操作のミスで」って言うとるやん。そんなんじゃなかったわ。「想定外」とか「津波のせいで・・・」云々言うてるよ。

⑤ あとさ、やっぱ「富士山」といえば静岡やん。で、静岡といえば、お茶やん。お茶もヤバいことになっとるよ、ここ見てみて。→お茶飲み場へ飛ぶ。

⑥ あんた「赤富士」の撮影してたのが1989年やから、やっぱ1986年にチェルノブイリ原発事故の後に見た「悪夢」「夢」やったんやろな。ほいで、「夢手帖」とかに書いたん?今度その「夢手帖」見せてや。

⑦ フランスの放射線防護中央局の元局長、パリ大学教授のピエール・ペルランゆう88歳の男が裁判にかけられとるよ。で、最終的な結果が出されるのが、あんたの命日の次の日の2011年9月7日。

このジイさんが何で裁判にかけられとるか?ゆう理由は。

当時63歳のコノ男さ、チェルノブイリ原発事故の後に、フランス国民に対して「フランスは大丈夫、フランス国境のストラスブールで放射線はカットされるから、ここまでやって来ない。」って言い放った連中の代表者だからなんだってさ。

こういう事いう奴アホ過ぎるって思うやろ、で、そんなんマジでみんな信用したん?って思うやろ、でもな、そうやったんやってさ。

そう、あれから25年後に、まだ解決の「か」の字も書けてない証拠やんな。

⑧ 長崎大学の山下俊一教授って知っとる?あと、文科省の高木大臣とか知らんと思うけど。ま、今度時間ある時にでも、ココ見てや。→「山下俊一トンデモ発言」に飛ぶ。 「高木文科大臣単独インタビュー」に飛ぶ。

じゃあね、おやすみ、あきら。

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追記

東京新聞 2012年2月20日

記事を送ってくださった方に感謝申し上げます☆

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